こんにちは、小さな菜園ブロガーのRio(@Rio_reach)です。
本記事は初めて苗を作ろうとしている家庭菜園初心者・中級者の方に向けた
「種から苗を作ってみようシリーズ」の2本目の記事です。
「種から苗を作ってみようシリーズ」1本目の記事では、
そもそもなんで苗を作る必要があるの?という疑問について書いていきました。
本記事では、実際に育苗容器に種をまく手順を書いていきます。
※種をまいたあとの管理方法については別記事で書きます。
ただ種をまくだけと侮るなかれ。
知識なしで種まきをすると、苗づくりは失敗しやすいです。
例えば、
これ、失敗のもとになります。
おすすめは、
でして、これをするだけで格段に成功率がアップします。
ただ種をまくというだけでも押さえておくべきたくさんのポイントがあるのです。
本記事では、初めて苗を作る方でもよい苗を作れるよう、そして、知識が定着するよう、なぜそうすべきかの理由を含めて解説しています。
苗づくりに挑戦してみたい方は、ぜひこのまま読み進めてみて下さいね。
苗づくりに必要な道具
最低限必要なものは以下の5点です。
- 育苗用の土
- 育苗用ポットもしくは大きめのセルトレイ
- 土をこねる用の容器
- 種
- 水
また、あれば便利な苗づくりに必要な道具は以下の3点です。
- 移植ごて
- ペットボトルのフタ
- つまようじ1本
- 園芸用ネームプレート(代用品:割り箸)・油性ペン
順に詳しく見ていきます。
育苗用の土
育苗用の専用の土がホームセンターなどで売られていますので、購入しましょう。
種まき用と書かれていることもあります。
また、赤玉土やバーミキュライトといった単用用土をブレンドして土を作る方法もありますが、育苗専用土を使うのが圧倒的に楽です!
はい。育苗専用の土を使用することをおすすめします。
培養土には野菜をよく育てるための栄養が含まれているのですが、
生まれたての小さな野菜苗にとって、栄養分は根の伸長を阻害する要因になってしまうのです。
では、栄養分が含まれていないような畑の土ならよいのかというと、そうとも言えません。
畑の土には多様な菌が含まれていまして、中には悪影響を及ぼす菌がいる可能性があります。
ある程度強く、大きくなった野菜は、自らの力で病原をはね返せるので問題はないのですが、
発芽したての野菜にとっては生命に関わる問題です。
芽吹いたばかりの野菜はなるべくクリーンな環境で、温度や光を調節してあげて大切にされて育てられるべしなのです。
ですので、育苗専用の土を使うことをおすすめします。
ホームセンターに行けず、Amazonなどで購入を希望される方はタキイが種まき培土を販売していますので、そちらがよいと思います。
育苗用ポット
次に、種をまく容器についてですが、家庭菜園では最初から育苗用ポット(ビニールポット)で育てるのが一番ラクです。
一番オーソドックスな9cmであれば、ほぼすべての野菜に対応できます。
古い育苗用ポットを再利用しようかな…と思われる方も多いと思うのですが、古い育苗用ポットに付着している土内に病原菌が含まれている可能性があるため、新品のポットを利用しましょう。
土をこねる用の容器
この容器を準備することが今回のポイントと言えます。
おけ、収納ケース、深めのトレイといった容器を準備しましょう。
詳しくは手順で述べますが、苗を10個程度作るくらいの家庭菜園であれば、土はあらかじめトレイなどにあけておいて、水をかけて、馴染ませた状態で育苗ポットやセルトレイに詰めると効率が良いです。
容器は土を広げて水となじませるスペースがあればなんでもOKです。少ししか苗を作らないのであれば植木鉢の水受けくらいでもOKです。身近にある、やりやすい容器をぜひ見つけてみて下さい。
種
野菜の種ももちろん準備しておきましょう。
種の準備の唯一のポイントは、まき時をしっかりと守ること。
どんなにお世話をしたとしても、やはり天候には勝てません。
種袋の裏面を見て、まき時の時期にまくようにしましょう。
水
多くの人がご存知の通り、種が発芽するためには水が必要です。
ちなみに今回のやり方ではジョウロは必須ではありませんので、何か水がくめるものがあればOKです。
そのため、苗づくりという観点だけで言うとジョウロは不要です。
詳しくは別記事で書きますね。
移植ごて
地域によってスコップやシャベルとも言われています。
移植ごては土と水をなじませたり、ポットなどに土を入れるときに使用します。
ただし、手や軍手が汚れてもいいなら不要です。
ペットボトルのフタ
種の植え穴を作るのに使います。
ペットボトルのフタの高さは約1cm。大きさがちょうどよいです。
詳細は手順にて記載します。
つまようじ1本
種によっては小さかったり、種同士がくっついてしまったりして、なかなか1粒1粒まきづらい場合があります。
そんな時に便利なのがつまようじでして、つまようじの先端に水をチョンとつけると、水の表面張力で種をゆるく接着し、結果として一粒ずつまきやすくなります。
園芸用ネームプレート(代用品:割り箸)・油性ペン
複数の品種の苗を作る場合は、どのポットにどの種をまいたか区別するために、園芸用のネームプレートをつけておくと便利です。
ネームプレートは100均でも手に入れることができます。
また、お手軽な代用品として割り箸を折って代用することもできます。
ただし、割り箸はカビが生えやすいので見た目は悪くなります。
種を育苗ポットに植える手順
必要な道具が準備できたところで、実際に種を植えていきましょう。
手順は以下の通りです。
- 土と水をなじませる
- 育苗ポットに土をつめる
- 種を植える植え穴をあける
- 植え穴に種を3〜4粒まく
- 土をかけて完成
順に詳しく見ていきます。
1. 土と水をなじませる
まず、育苗用の土を容器にあけます。
土に水を与え、移植ごてもしくは手で混ぜます。
土の種類によっては水をはじいてしまいますが、慌てずに、水と土がなじむまでよく混ぜてあげましょう。
水は少しずつ加えてなじませて、最終的には土を手のひらでギュッとつかむと水が少し出るかな?というくらいにします。
実際にやってみるとわかるのですが、乾いた土はかなりふんわりしていて、体積も大きいです。このような土が水を吸収すると、水により土がギュッと吸着されて土の体積が減ります。土の体積が減ると、その分野菜の根が伸びるスペースも減ってしまいます。
種をまいてからジョウロで水をあげるのも、種が水の勢いで弾かれてしまう恐れがあります。
以上のことから、先に水と土をなじませておく方が効率的だと私は考えています。
2. 育苗ポットに土をつめる
土と水がよくなじんだら、育苗ポットに土を入れていきます。ポイントは、しっかりと、ギュッギュと土を詰めることです。
根が空気を吸えるように、土はふんわり詰めた方が良い、と言う有識者もいらっしゃいますが、その根拠は根っこに空気を与えるためと思われます。ただ、育苗用の土であれば土の粒子が大きいのでかなりギュッと詰めても空気は十分です。
土をギュッギュとしっかり詰めることで、
- 土が詰まっている方が土と種が密着して種が水を吸いやすくなる。
- 土が硬い方が丈夫な根っこが生える
という利点があります。
3. 種を植える植え穴をあける
土をつめたら、種を植えるための植え穴をあけます。
穴の深さは、基本的には種袋の裏面に記載されている深さに従います。
種を植える深さの記載がない、もしくはわからない場合、
「種を埋める深さは種の直径の2〜3倍」の深さの穴を作りましょう。
種を植える穴は、ペットボトルのフタを利用すると便利です。
育苗ポットの中央にペットボトルのフタを押し付けて、穴をあけます。
大体の野菜の種の植え穴は1cm程度。ペットボトルのフタの高さも1cm程度なので、
フタを土の表面の高さまでギュッと押し込みます。
土と水がしっかりとなじんでいれば、きれいな穴を開けることができます。
4. 植え穴に種を3〜4粒まく
ペットボトルのふたで作った植え穴に、3〜4粒の種をなるべく重ならないようにまきます。
種の発芽率は良くても85%程度です。裏を返せば、15%は発芽しないのです。
そのため、発芽の保険として3〜4粒まくと良いと思います。
また、種が重なってしまうと、お互い発芽したときに葉が重なりやすくなってしまい、結果として光を求めあって、互いに茎がひょろひょろ伸びてしまいます。
ひょろひょろ苗は風で倒れやすく、よい苗にならないため、種はなるべく重ならないように配置しましょう。
つまようじの先端に水をちょこんと付ければ、表面張力で種を一粒ずつつかみやすくなります。
これで、種を重ならないようにまくことができます。
5. 土をかけて完成
種を配置したら、最後に上に土をかぶせてあげましょう。
かぶせる土も必ず水となじませた土を使います。
土をかぶせたら、手で上からギュッと押さえます。
密着させることにより、種が水を吸いやすくなります。
複数の品種の種をまいている場合は、品種が混ざらないようにするために、園芸用ネームプレートに名前を書いて挿しておきましょう。
写真
これで、種まき完成です!
まとめ
ここまでで、実際に育苗ポットに種をまくところまでやっていきました。
冒頭にも述べたとおり、あらかじめ水となじませておいた土をつめて、種をまくと成功しやすくなります。
もう少しポイントを詳細にまとめます。
- あらかじめ土と水をなじませておき、土をしっかりと詰める。しっかりと詰めることによって、丈夫な根が生えてきます。
- 植え穴の深さは種の大きさの2から3倍(覚えておくとなにかと便利です。種袋に植え穴の深さが明記されている場合はそれに従いましょう。)
- 種を植えたあと、土をかぶせてギュッと上から押さえる(土と種を密着させて、種が吸水しやすくする)
さて、実際に種をまきましたが、その後は実際に管理をしていく必要があります。
ポイントは、
なのですが、その話は次回の記事で書いていきたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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