こんにちは、小さな菜園ブロガーのRio(@Rio_reach)です。
本記事は初めて苗を作ろうとしている家庭菜園初心者・中級者の方に向けた
「種から苗を作ってみようシリーズ」の4本目の記事です。
本記事では、発芽したあと畑に定植するまでの苗の管理方法について書いていきます。
ですので、この記事で学んでいきましょ〜!
というわけで、発芽までの管理方法が知りたい!という方はこちらの記事をぜひ見てみてください。
発芽まで無事にたどりつけたら、いよいよ定植までの管理ですね!
ズバリ、発芽後の育苗管理で意識したいのは、「温度・水・光・風」です。
その心地よい環境を整えるために意識したいポイントが以下の4点です。
- 水は乾いた時に下からたっぷりあげる。毎日あげない。
- 水は午前中にあげる。夜あげない。
- 温度と光、両方の条件が最適になるようにベストを尽くす。
- 暖かい日は風に当ててあげる。もしくは、さする。
本文では、上記4点のポイントを詳しく解説していきます。
地温を測ったり、
苗キャップで寒さから守りつつ、
ポイントを押さえて、ずんぐりむっくりな良い苗を作りましょう!
良い苗の条件は以下の通りです。
・節間(葉と葉の間)の茎が短い
・茎が太い
反対に、
・節間(葉と葉の付け根の節の間)が長い
・茎が細くて長い
といった特徴を持つひょろひょろとした苗は、良くない苗です。
この茎がひょろっと伸びてしまうことを一般的に「徒長(とちょう)」と呼んでいます。
発芽後の育苗管理は、育苗管理の中でも一番難しいところです。
しかし、ポイントをつかめば育苗の成功確率はグンと上がると思います。
ポイント1 水は乾いた時に下からたっぷりあげる。毎日あげない。
水はちまちまとあげず、乾いたときに底面潅水(ていめんかんすい)でたっぷりとあげましょう。
ついつい過保護に毎日水をあげたくなってしまいますが、これはNGです。
水を高頻度であげてしまいますと、土の表面だけが常に湿っている状態になります。
すると、根は下に伸びなくても水分が吸収できるため、結果として根の伸びが悪くなるのです。
また、常に土が湿っていると、植物がどんどん水を吸い上げることにより、体内に水を溜め込んで茎がどんどんと伸びてしまい、徒長しやすくなってしまいます。
ジョウロはおすすめしない。底面潅水(ていめんかんすい) しましょう。
乾いたら、下から底面潅水(ていめんかんすい)で、たっぷり水をあげるのが良い水やりです。
ジョウロで水を与える人もいますが、
- ジョウロだと土のだけ湿りやすい → つまり根が伸びにくい
- ジョウロの水の勢いで苗が倒れやすい
ことから、私は底面潅水をおすすめしています。
- 深さのあるトレイや容器など、水受けができる容器を準備します。
- 容器に水を3cmほど注ぎます。
- 水を張った容器の中にポットを入れます。
- 1時間くらいつけておくと、毛細管現象で土の表面まで水があがってきます。あがってくれば水やり完了ですので元の位置に戻します。
ポイント2 水は午前中にあげる。夜あげない。
午前中に水をあげるのを忘れてしまって、ついつい夜に水やりしてしまう…なんてことありませんか?
これ、気持ちはわかりますが…夜の水やりは徒長を促進させる原因になります。
植物は夜よく伸びる、と言われています。
そのため、夜間に水が豊富にあって、水をどんどん吸ってしまうと、植物は茎をどんどんと伸ばしてしまいます。
結果、徒長してしまうのです。
そのため、水やりは朝行う方がベターです。
ポイント3 温度と光、両方の条件が最適になるようにベストを尽くす。
一番難しいのが温度と光です。
というのも、夏野菜の生育適温は大体25度くらいなのですが、定植時期の5月初旬でも、温暖地の気温は高くて20度くらいで生育適温に足りません。
つまり、春夏野菜の育苗時期に、外で栽培すると温度が足りないのです。
なら、暖かい屋内なら良いかというと…屋内では光が圧倒的に足りません。
ここが難しいところなのですが…
温度を妥協しつつ、屋内におくべきか、屋外におくべきか…考えながらベストを尽くすことがポイントです。
屋内に入れるべきか、屋外に置くべきかは、野菜の最低生育気温とその日の最低気温で判断します。
屋内に入れるべきか、屋外に置くべき?判断例
例えば、あなたがトマトとピーマンの苗を育てているとします。
週間天気予報を見たら以下のような天気だったとします。
画像はYahoo天気予報アプリより、2019年3月26日から31日までの船橋市の天気を抜粋したものです。
ここで、主な夏野菜の最低生育気温を見てみましょう。
屋外に出したい一番の理由は、「日光に当てたい」です。
さて、問題は夜です。
でも、置いておいて大丈夫なのかな?
例えば、上記の例の26日の最低気温は7度。
トマトの最低生育気温は5度、ピーマンの最低生育適温は10度です。
最低気温が最低生育適温を下回らなければ外でも大丈夫なので、
この場合、トマト苗(最低生育気温:5度)は夜間でも屋外でOKですが、ピーマン(最低生育気温:10度)はNGです。
また、31日の最低気温は4度です。
この場合、トマトもピーマンの最低生育気温より最低気温が下回っているため、両方NGです。
屋外での保温は苗キャップが便利
屋外に出すときは、苗キャップで保温をしてあげることをおすすめします。
苗キャップは透明であるため、日光は通しつつも、冷たい風からは守ってくれ、かつ暖かい空気を逃さないという優れものです。
我が家の環境では、3月後半の天候で、苗キャップをするときとしないときと比較して、約3度くらい気温が上昇します。
生育適温に近づける事ができ、苗がよく育ちます。
多少なら夜の寒さにも耐えることができますよ!
ただし、だんだんと暖かくなっていくと、苗キャップをしていると温度が上がりすぎてしまいます。
育苗ポットに挿した地温計を見つつ、暖かくなりすぎそうであれば、苗キャップを外してあげましょう。
\とっても活躍してくれます。/
育苗用の地温計は安すぎるので3本セットとかで販売されています。1本大体100円ちょっとくらいと安心の値段なのに、
苗づくりにおいてお役立ちすぎて助かります。
ポイント4 暖かい日は風に当ててあげる。もしくは、さする。
実は、良い苗に育てるには「風」もポイントになります。
というのも、ある程度の風に当ててあげることで、茎が刺激を受けて丈夫になるのです。
ある程度風がある事で、茎を伸ばすのではなく、茎を丈夫にしなくちゃと植物が思うわけですね。
屋内で育苗している場合は、さするだけでも効果があります。
ちょっと扇風機の風が当たるようなところに置いてあげるのもいいですね!
まとめ
定植までの育苗管理のポイントを書いていきました。
お世話といっても、実は、水をあげたり、移動をしてあげるだけです。
そして、水と移動のポイントは以下の通りです。
- 水は乾いた時に下からたっぷりあげる。毎日あげない。
- 水は午前中にあげる。夜あげない。
- 温度と光、両方の条件が最適になるようにベストを尽くす。
- 暖かい日は風に当ててあげる。もしくは、さする。
毎日、苗を見る必要がありますが、お世話の時間はそこまでかかりません。
私の場合は、水やりをする日で大体3分くらいですかね…
移動だけの日は1分です。
すでに朝起きた時に苗を見るのが習慣になっているので、苦労も感じません。
双葉が出て、本葉が出てきて、どんどん成長して…そんな過程を見るのがとっても楽しいです。
どんどんと大きくなっていく苗を、畑という大自然に離してあげる日まで頑張って育苗していきたいと思います。
では、あなたも楽しい苗ライフを!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
これがあれば多少の寒さにも耐えられる。苗キャップ。
育苗用の地温計は安くてとっても嬉しい。