栽培管理

【コストゼロの土壌消毒】寒おこしって何?やり方は?そもそもやった方がいいの?

こんにちは、小さな菜園ブロガーのRio(@Rio_reach)です。

Rioのお仕事は、農園で起こることについて、色々と相談を受けること。
今回は、こんな質問を受けました。

ノン氏
寒くなってきましたね…もうこれから育てられる野菜も少なくなってきたし、そうすると畑でやることってないですよね?

家庭菜園ビギナーにぜひ知ってもらいたいのが、
冬の寒さを利用した自然を利用した土壌消毒、「寒おこし」です。

「冬の寒さを利用する」というのがミソでして、なんとコストゼロで土壌消毒ができちゃうんですよ!
※より効果を高めるために、堆肥や米ぬかをまく場合もあります。詳しくは後述します。

ただし…やみくもに「寒おこし」するべきなのかと言われると、
有機栽培の畑や自然農の畑は、
寒おこししない方が良い畑もあります。

本記事では、家庭菜園ビギナーの方向けに、

  • 寒おこしのやり方やメリット・デメリット
  • 寒おこしをやるべき畑、やらない方が良い畑

についてまとめてみました。

来年に向けて、たくさんの春夏野菜を収穫できる土作りをしたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

寒おこしとは?やり方は?

寒おこしは、
霜が降りる時期に、畑を耕して、土をかたまりのまま寒さにあてることで、昔ながらの土壌消毒の手法
です。
寒ざらし、寒中耕起とも呼びます。

冬の朝に畑に出かけると、土の表面に霜が降りてます。
この霜が溶けて、また凍る…を繰り返して、土壌消毒が自然に行われるんですね。

寒おこしのメリットは?

1 study

寒おこしのメリットは以下の通りです。

  • センチュウの被害が減る
  • ネキリムシの被害が減る
  • 雑草の種を寒さで死滅させることができるので、雑草が減る
  • 固い土がサラサラになる

例えばネキリムシは、

気温が低下してくる11月には、幼虫の24%は地表下20cm以下に潜入する。
引用:スーの家の自然栽培的オーガニック家庭菜園12ヶ月

ようです。

センチュウも冬は少しでも暖かい場所を求めて、土の表面層に出てきます。
参考:楽して儲かる農業みーつけた

表面に集まったネキリムシやセンチュウといった病害虫ごと土を寒さに当ててしまえば、
駆除することができるというわけですね!

寒おこしのやり方

1 howto

深さ30cmくらいを目安に、
土の塊をなるべく崩さないようにしてスコップで土を掘り起こしていきます。
スコップを使う理由は、
「土のかたまりをなるべく崩さない」ようにするため。

スコップがない場合は、クワを使っても大丈夫ですが、
「土のかたまりをなるべく崩さない」を意識して耕しましょう。

塊にする理由は、寒さに当てる土の表面積を増やし、
土の中の水分が寒さに当たりやすくするためです。

スコップを土に差し込み、
テコの原理を利用して、すくった土を押し上げます。

画像引用:無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、自給自足Life。~持続可能で豊かで自然な暮らしの分かち合い~

寒さに当たると、土の水分は凍ったり、溶けたりを繰り返します。
すると、センチュウやネキリムシといった野菜の病害虫や雑草の種が死滅します。
と同時に、土の塊は風化していき、サラサラで通気性がよく、水持ちの良い土になります。

このような土の状態を、「団粒構造が発達した土」とも呼びます。

ちなみに、関東では、30cm〜50cmくらい掘っているとだいたい赤土にたどり着きます。
この赤土より下はすっごく固いので掘り起こすのは難しいです。
私が寒おこしをする場合は、この赤土が見える状態まで掘るようにしています。

以下の写真の丸をつけた箇所が赤土です。
少し明るめに写ってしまっています。

堆肥と米ぬかを混ぜるとより効果的

また、寒おこしをするときは、堆肥と米ぬかを混ぜるとより効果的です。

堆肥は、いわゆる有機物です。
堆肥は微生物の大もとのエサになり、だんだんと小さく分解されていき、土をフカフカにし、団粒構造の発達した土を作り上げるもとになります。

そして、そんな微生物たちは、米ぬかが大好物なようで、
米ぬかを畑にまくと、土の微生物が一気に繁殖するそうです。

したがって、寒おこしをするときに堆肥と米ぬかをまくと効果的なのです。

寒おこしにデメリットはあるの?

有益な微生物も減少する

メリットがいっぱいの寒おこしですが、

ノン氏
土へのダメージにはならないのだろうか?良い虫まで退治したりしないだろうか?

という心配もありますよね?

結論から書くと、寒おこしのデメリットとして、有益な微生物も減少してしまう可能性があります。

ちなみに、微生物ではなく、テントウムシやカマキリといった畑の益虫たちは、
土の中とよりも落ち葉の下や、
畑に置いてある大きな岩、
コンクリートブロックの下といった暗くてジメジメした場所で
越冬しているのをよく見かけます。

また、ミミズは土の深くに潜ってしまうため、
影響ないと言えるでしょう。

微生物レベルでは、畑に害を及ぼす微生物のみをやっつける、ということは難しいです。

寒おこしをやったほうがいい畑

rio
こんな畑の場合は、ぜひ寒おこししましょう!
  • 病害虫の被害が出た畑
  • 化学肥料や農薬を多用している畑
  • 土の団粒構造が発達していない畑
  • 冬に野菜を育てない畑

病害虫の被害が出た畑

寒おこしはセンチュウやネキリムシに効果があります。

センチュウやネキリムシが多く発生した、
もしくはそうでなくても、今年はなんだかうまくいかなかったなぁ…という畑はぜひ寒おこししましょう。
そのほかの病害虫についても、寒おこしすることで病害虫の発生が抑えられる可能性があります。
やってみましょう。

化学肥料や農薬を多用している畑


化学肥料をメインで使っている畑は、土の中の微生物の多様化が進みにくく、害虫が発生しやすいと言われています。

というのも化学肥料を多用した畑は土の環境が偏りやすく、微生物のバランスが崩れやすいのです。

化学肥料は、微生物を介さずに水で溶け、直接野菜が吸収できるイオンの状態になります。
偏った栄養素を投入されることで、偏った環境で特異的に生きていける微生物が爆発的に増えて、微生物環境が単一になりやすいです。

そのため、特定の病害虫がはびこりやすい状態になったり、土の栄養分が偏ったりすることで連作障害が起こりやすくなります。

rio
例えば、センチュウはK(カリ)成分が大好きです。カリを多く含む化学肥料をたくさん入れていると、カリを好むセンチュウが大発生します。

ですので、化学肥料や農薬を使ってい畑こそ、寒おこしをして、病害虫を防止しましょう。

一方、有機肥料は、野菜が吸収できる状態(イオン)になるためには、微生物の分解が必要になります。
そのため、土の中にはいろんな微生物がたくさんいる状態になります。
たくさんの微生物がいる土は、バランスがとれているため、病害虫を含む特定の生物が過度に発生することはありません。

陸上の動物でも天敵がいることで、動物の種類は一定数に保たれますよね?
それと同じことが土の中の微生物でも起こっていると考えるとわかりやすいと思います。

土の団粒構造が発達していない畑


寒おこしには、「土の団粒構造」を作る作用もあります。
自分の畑の土の団粒構造をチェックしてみて、団粒化していなければ更なる土壌団粒化を目指して寒おこししましょう。

ノン氏
でも、土の団粒化構造なんて素人ではわかんないよ…

そう思ったあなた!

実は、土の団粒構造をチェックするとっても簡単な方法があるのです。

チェックは5分で可能です。
用意するものは、スプーンとフタができる空きビンです。

土の団粒構造のチェック方法をプロ家庭菜園講師の竹内孝功さんのブログ
無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、自給自足Life。~持続可能で豊かで自然な暮らしの分かち合い~」から引用させていただきます。

瓶に、水を張り、畑の土を構造が壊れないようにスプーン一杯入れます。
そして、瓶に水を足し、ギリギリにして充たします。
そして蓋をして、
静かに、4~5回上下にします。
ポイントは、土が上下しきるまで待つように、ゆっくり水の砂時計のように混ぜます。
混ぜて、新聞の前におくと、しっかり濁っているので後ろの文字は読めません。
<中略>
新聞の見出しの文字が確認できる時間によって

5分以内…団粒化が発達した、最高の土
5分~15分以内…団粒化があと一歩の土
15分~1時間…団粒化のために、努力が必要な土
1時間以上…かなりの努力が必要な土

と、こんな感じで簡易判定できます。

5分以上かかるような土の場合は、更なる団粒化を目指して、寒おこししてみましょう。

雑草の根が張って固くなっている畑

細かい雑草の根がびっしり生えていて、新しい野菜を植えるのが大変になってきた畑は、春に耕す必要が出てきます。

しかし、根がびっしりと生えている畑って、結構耕すのが大変なんですよね…。

ですので、どうせ耕すのであれば、春に耕すよりも冬のこの時期に耕して、
土を寒さにさらして、土をサラサラにするのがオススメです。

rio
春に苦労して耕すよりも楽になりますよ。

冬に野菜を育てない畑

冬は畑を休ませよう、そう思っているあなた。

それならば、ぜひ、寒おこしした状態で休ませましょう。

野菜や草が生えている状態の場合、土を自動的に野菜の根や草の根で耕してくれている状態であるため、ある意味土は耕されています。
しかし、草が生えにくい冬、野菜を何も作らないまま放置しておくと、
土はだんだん固くなってしまいます。
土が固くなると、当然野菜の根も伸ばしにくい状態になってしまします。

そのため、畑を休ませる場合は、寒おこしした状態で休ませましょう。

寒おこしをやらなくてもいい畑

一方で、寒おこしをしない方がいいんじゃないかな?という畑もあります。

有機肥料を使っていて、栽培がうまくできている

有機肥料を使っている畑で、野菜の栽培がうまくいっているのであれば、
無理に寒おこしをしなくても良いと思います。

というのも、有機肥料を使っている畑であれば、
微生物が多様化しているため、無理に寒おこしをすることで、
土のバランスが崩れてしまう可能性があるから
です。

有機肥料もしくは自然農法で野菜を育てていて、
その年に病害虫が出ず、栽培もうまくいっている、
土の団粒構造も問題がない場合は、
あえて寒おこしをせず、少量の米ぬかをまいたり、
枯れ草で土の表面を保護してあげるだけでも十分
だと思います。

畑の声を聞いて、じっくり土作りしよう

冬は土にじっくりと向き合う季節なのかもしれませんね。

正直、夏は虫退治や収穫などのお世話で手いっぱいで、なかなか土づくりまで目を向けることができないのですが、冬は時間がたっぷりあります。
団粒構造をしっかりとチェックするのも面白いと思います。

また、スコップ(シャベル)を土にさして掘り起こして行く寒おこしは決したラクな作業ではありません。
しかし、やってみると以外と楽しく、体が温まり、良い運動になります。

しかも、特別な資材も不要なのが嬉しいですね。

興味が出た方は、ぜひ寒おこしに挑戦してみてくださいね!